親子交流(面会交流)について①

令和8年4月施行の改正民法により、これまで「面会交流」と呼ばれていたものが、「親子(の)交流」と呼ばれることになりました(民法817条の13)。

裁判所の書式も、「子の監護に関する処分(親子交流)」に変更されています。

そんな形式論はともかく、お子さんがいるご夫婦が離婚する場合、避けて通れないのがこの親子交流の問題です。

今回は、①として、頻度の問題を取り上げます。

統計から考える

統計資料としては、「司法統計年報(3家事編)」というものがあります。令和2年(2020年)版までは冊子で発行されていましたが、令和3年(2021年)版以降は(それ以前のものも)裁判所ウェブサイトで確認することができます。

それによると、令和7年(2025年)中に成立した調停または調停に代わる審判で、面会交流の取り決めがあるものについては、以下の割合となっています。

週1回以上 231/8749(2.64%) 

月2回以上 682/8749(7.80%) 

月1回以上 3524/8749(40.28%) 

2・3か月に1回以上 416/8749(4.75%)

4~6か月に1回以上 125/8749(1.43%)

長期休暇中 21/8749(0.24%)

別途協議 2309/8749(26.39%)

その他 1441/8749(16.47%)

直近5年間をグラフにしてみました。(長期休暇中・別途協議・その他は除外)

どれかが減少傾向あるいは増加傾向というよりは、5年間を振り返ってみたときに、ほとんど割合が変わっていないとみる方が妥当かと思います。(ただし10年間を振り返ると、面会交流が取り決められている件数は、やや減少傾向にあるようです)

圧倒的に多いのが「月1回以上・月2回未満」、すなわち「月1回(程度)」ということになります。

なお、「週1回以上」も2%台で存在しているものの、これは裁判所が誘導したというよりは、調停前に実施していた内容をそのまま引き継いだのではないかと推察しています。(裁判所の傾向として、週1回の面会交流にはかなり消極的です。)

また宿泊の有無については、

宿泊有 850/8749(9.72%) 

宿泊無 7899/8749(90.28%) 

となっています。これも同様にグラフにしてみました。

宿泊ありが、やや増加傾向といえそうです。

なお、当事務所の肌感覚的には、もう少し多いのではないかと思います。(弁護士の広告規制によって、勝率の表示が禁止されているため、宿泊付きとなった割合を表示することも、ここでは控えさせてください。)

個別の事案においてどう考えるべきか

統計上一番多いのが月1回程度だとしても、だからといってそれだけで、月1回程度が妥当だということにはなりませんし、宿泊ありの割合が1割程度だとしても、だからといってそれだけで、宿泊なしが妥当だということにはなりません。

例えば、宿泊なしの中には、お子さんが1歳未満で、監護親のもとを離れて宿泊するのが事実上ほぼ不可能というケースも含まれているでしょう。月1回の中には、月2回を求めたものの妥協して月1回になったケースもあれば、元から月1回しか求めていなかったケースもあるはずです。

あくまで統計は統計でしかありません。

じゃあなぜ統計を紹介したのかというと、例えば調停委員や公証人等から、「みんな○○ですよ」「普通は○○ですよ」などと言われることがあったときに、それが正しいかどうかを、きちんと判断していただきたいからです。

結局のところ、親子交流の頻度としてどれぐらいが適切かといえば、お子さんの年齢、スケジュール、別居前の監護状況、別居後の交流状況、お子さんの意思等をもとに、何がお子さんにとってベストかという観点から決めていく必要があります。

個人的には、特に問題がないならば、親子交流の内容として、月2回+年数回の宿泊ぐらいが、親子関係構築に資するのではないかと考えています(もちろん個別具体的事情によりますが)。

ちなみに、この統計には表れていませんが、宿泊ありの条項では、毎月宿泊ありとするのではなく、長期休みのある年3回を宿泊付とする例が多いです。